当帰芍薬散はむくみとりの漢方として人気ですから、たくさんの製薬会社が商品を提供しています。
商品によって、同じ当帰芍薬散でも1日分の成分量が違います。
例えば、成分の少ない物から始めてみて、効果があれば成分量の多いものを試してみるのも良いでしょう。
又は、成分量的に中間のものを試してみて、もう少し聞いてほしければ成分量の多いものを試し、ちょっと効きすぎていると感じたら、成分量の少ないものにしてみるのも良いかもしれません。
人によっては、むくみが辛いから、一番成分量の多い奴が知りたい!というひともいますよね。
そこで、主要5社の市販品6商品と、医療用(ツムラ)を紹介しながら、1日分の生薬エキス配合量や1日当たりの金額で比較しました。
どの商品が体質に合うのか、体質にあった当帰芍薬散を見つけるための、商品選びの参考にしてください。
市販の当帰芍薬散、製薬各社の商品紹介
市販の当帰芍薬散というのは、全て第2類医薬品に該当する商品です。
厚生労働省によって定められた「一般用漢方製剤製造販売承認基準」を満たす条件の中で作られている商品になります。
この一般用の漢方の効能効果にかかれている記述は、全てこの一般用漢方製剤製造販売承認基準に定められた通りとなっています。
ここで比較する市販の当帰芍薬散を紹介しましょう。
どれも、ネットやドラッグストアで購入できる一般用漢方です。
1:ツムラ漢方当帰芍薬散エキス顆粒
2:「クラシエ」漢方当帰芍薬散エキス顆粒S
3:クラシエ当帰芍薬散錠
パッケージの違いでこちらもあります。
成分などは同じです。
4:DHC漢方 当帰芍薬散エキス錠
5:漢方ヒロレス 当帰芍薬散錠
6:ルビーナめぐり 漢方製剤当帰芍薬散加人参
当帰芍薬散に含まれる蒼朮と白朮の違いについて
中医学では、当帰芍薬散は本来「白朮」(びゃくじゅつ)という生薬が配合されています。
しかし、日本ではこの白朮があまりとれないらしく、その替わりとして「蒼朮」(そうじゅつ)が用いられています。
白朮は当帰芍薬散以外の漢方にも当然使われているので、白朮の替わりに蒼朮が用いられている漢方は他にもあります。
「朮」には利尿作用があって、白朮も蒼朮も利尿作用のある生薬です。
しかし、中医学では、白朮の方が蒼朮よりも効果が何倍も上という風に言われています。
この白朮と蒼朮の効果の比較をした研究があります。
この研究では、当帰芍薬散と同じくむくみ取りの漢方として有名な五苓散を用いて行われていますが、白朮と蒼朮には効果の違いがみられました。
今回紹介している一般用当帰芍薬散の中でも、白朮を使用しているものと蒼朮を使用しているものとあります。
白朮を使用している当帰芍薬散は「クラシエ当帰芍薬散エキス顆粒S」「DHC漢方当帰芍薬散」「ルビーナめぐり(武田薬品)」の3つです。
蒼朮を使用している当帰芍薬散は「ツムラ漢方当帰芍薬散エキス顆粒」「クラシエ当帰芍薬散錠」「ヒロレス(小林製薬)」の3つです。
ツムラの当帰芍薬散は、医療用も蒼朮を使用しています。
クラシエの当帰芍薬散は、顆粒と錠剤で成分が異なります。
市販の当帰芍薬散の成分量の違いと1日当たりの値段を比較解説
比較のために、よく病院で処方されるツムラ漢方当帰芍薬散医療用を加えた、7種類の当帰芍薬散で、1日当たりの成分量と金額を比較してみました。
抽出エキスによるものと、生薬粉末によるものがあります。
さきに一覧表をご覧いただいて、解説していきたいと思います。
当帰芍薬散7商品の大人(15歳以上)の1日分に含まれる成分量比較
ツムラ |
ツムラ 一般用 |
クラシエ 顆粒 |
クラシエ 錠剤 |
DHC | ヒロレス (小林製薬) |
ルビーナめぐり(武田薬品) | |
芍薬 (しゃくやく) |
0.728 | 0.364 | 0.937 | 0.546 | 0.3 | 0.418 | 0.383 |
蒼朮 (そうじゅつ) |
0.728 | 0.364 | 白朮(びゃくじゅつ) 0.625 |
0.546 | 白朮(びゃくじゅつ) 0.3 |
0.418 | 白朮(びゃくじゅつ) 0.287 |
沢瀉 (たくしゃ) |
0.728 | 0.364 | 0.625 | 0.546 | 0.3 | 0.418 | 0.334 |
茯苓 (ぶくりょう) |
0.728 | 0.364 | 0.625 | 0.546 | 0.3 | 0.418 | 0.334 |
川芎 (せんきゅう) |
0.544 | 0.272 | 0.469 | 0.409 | 0.225 | 0.314 | 0.287 |
当帰 (とうき) |
0.544 | 0.272 | 0.469 | 0.409 | 0.225 | 0.314 | 0.334 |
1日分合計 | 4.0 | 2.0 | 3.75 | 3.0 | 1.65 | 2.3 | 1.959 (ニンジンを除く) |
単位(g)
当帰芍薬散7商品の大人(15歳以上)1日当たりの容量と、販売価格の比較
ツムラ |
ツムラ |
クラシエ 顆粒 |
クラシエ 錠剤 |
DHC | ヒロレス (小林製薬) |
ルビーナめぐり (武田薬品) |
|
大人1日用量 | 医師の指示の通り | 1日2回 1回1包 |
1日3回 1回1包 |
1日3回 1回4錠 |
1日3回 1回6錠 |
1日3回 |
1日3回 1回3錠 |
希望小売価格 |
保険適用 窓口負担割合による |
希望小売価格 |
希望小売価格 24包1790円 |
希望小売価格 60錠1000円 96錠1790円 240錠3600円 288錠4000円 |
通常販売価格 270錠1750円 |
希望小売価格 84錠2400円 |
amazon価格 |
(価格は全て税抜)
成分量ではクラシエが高配合
成分量で目を引くのは、クラシエの顆粒タイプが、当帰についてはツムラの医療用よりも多く含まれていて、それ以外の成分についても、他の商品と比べて断然多く、ツムラの医療用に近いレベルだということでしょう。
また、ツムラが医療用も一般用も蒼朮を使用しているのに対し、クラシエの顆粒は白朮を使用しているところからも、クラシエの顆粒が目を引きますね。
クラシエ顆粒が飛びぬけていますが、錠剤も他社製品に比べたら断然多く配合されています。
クラシエの顆粒と錠剤では、錠剤の方が白朮ではなく蒼朮が使われている所も違いとしてあります
その違いがどの程度効果として体感できるかは人によって違うところでしょう。
ご自分の目的に合わせて、強すぎると不安だから少量から始める場合、中間から始めて増やすか減らすか検討する場合、辛いから成分量の多い商品から始める場合で、選ぶ参考にしてください。
市販の当帰芍薬散1日当たりの値段はどう違う?
クラシエの顆粒は24包入りしかないので、希望小売価格を1日換算すると223.75円です。
クラシエの錠剤は、何錠入りかによって4種類あります。
希望小売価格1日当たり、60錠入りが200円、 96錠入りが223円、240錠入りが180円、288錠入りが167円となっています。
ツムラは20包入りが希望小売価格で1日240円、48包入りが180円です。
DHCは希望小売価格で1日117円。
小林製薬のヒロレスは希望小売価格で1日343円。
武田薬品のルビーナめぐりは2020年10月のamazonで、1日当たり60錠入りが191円、120錠入りが145円。
成分量が違うので、一概にどれがお得ということは言い切れませんが、成分の多いものが良ければ、クラシエの顆粒で、成分の少ないもので試してみたい人は、DHCが良いでしょう。
今回紹介した当帰芍薬散の一般漢方の中で一番試しやすいのは、クラシエの錠剤で60錠入り1,000円の商品が、ドラッグストアでも手に入りやすいのではないでしょうか。
まとめ:どれが体質に合うかは成分量だけではわからない
ここで比較をしたのは、自分に合った当帰芍薬散を見つけていただくためです。
漢方は体質との相性がとても大事です。
成分量と、白朮か蒼朮かの違いをふまえると、どれもみんな違う特徴を持った商品になります。
最初お試しで服用してみて、よりご自分に合った当帰芍薬散を見つけるのにお役立てください。
漢方での効果がいまいち得られにくいと感じた場合は、むくみに効く利尿薬を試してみるのも良いでしょう。口コミで高評価の利尿薬ハイレスの紹介記事はこちら
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