タンパク質の推奨摂取量は、成人男性が1日65g、成人女性は1日50gです。(詳細は後述)
しっかりと必要なたんぱく質が取れるのは、肉類、卵類、乳製品を使ったメニューとなるのですが、同時に脂質も多く取ることになってしまいます。
脂質は体にとって重要ですが、最近は調理加工されている食品には植物油脂などが使われていて、積極的に取る必要がなく、むしろ気を付けて減らさないと取り過ぎになってしまいます。
そこで、脂質が少なくて良質なたんぱく質が取れる、高たんぱくな植物性食材を紹介し、それらを使ったメニューを紹介します。
男女別たんぱく質の、1日推奨摂取量
1日のタンパク質の推奨摂取量は、18歳から49歳が摂取エネルギーの13~20%、50歳から64歳が14~20%、65歳以上が15から20%とされています。
年齢によって、男女によって、推奨される摂取エネルギーが違うので、結果としてたんぱく質の推奨摂取量も変わってきます。
たんぱく質は1gでkcalです。
男性の1日に必要なたんぱく質
18歳から49歳を例にして計算します。
活動量の少ない成人男性なら、1日の基準は2200±200kcalです。
最低限取った方が良い基準として考えるので、2000kcalで13%をたんぱく質で取ったとすると
2000×13%÷4=65g となります。
女性の1日に必要なたんぱく質
18歳から49歳を例にして計算します。
活動量の少ない成人女性の基準は1400から2000kcalです。
これも、最低限の必要量を出したいので、1400kcalで13%をたんぱく質で取ったとすると
1400×13%÷4=45.5g となります。
質の良いたんぱく質って何?
「質の良いたんぱく質を取る」という表現を目にすることがありますが、質の良いたんぱく質とは、そういうたんぱく質の事を言っているのでしょうか。
タンパク質とアミノ酸
筋肉や内臓など、体を構成する大切な要素のタンパク質は、20種類のアミノ酸が、様々な組み合わせとバランスによって結合した化合物です。
たんぱく質を構成するアミノ酸には、9種類の必須アミノ酸と、非必須アミノ酸の2種類があります。
非必須アミノ酸は、糖質から自分の体の中で作り出す事ができるアミノ酸です。
必須アミノ酸は、体内で作る事ができないので、直接食品から取り入れなくてはいけないため、必須アミノ酸をバランスよく摂取することはとても重要です。
アミノ酸スコア
必須アミノ酸の含まれるバランスを、数値化したものがアミノ酸スコアという指標です。
アミノ酸スコアが10に近ければ近いほど、必須アミノ酸のバランスが良い食品と言えます。
計算の仕方は、その食品に含まれる必須アミノ酸のうち、最も少ないものを、各必須アミノ酸に対して設定された数値の割合を算出します。
最も高い値は100で、植物性食材では、大豆がアミノ酸スコア100の食材です。
良質のたんぱく質とは
質の良いたんぱく質とは、アミノ酸がバランスよく含まれているたんぱく質のことです。
つまり、アミノ酸スコアの高いタンパク質を指します。
実際の食事においては、アミノ酸バランスが良いものばかりを食べていればよいということではありません。
仮にバランスの含まれているアミノ酸のバランスが悪い食品だとしても、、他のもので補えれば良いのではないでしょうか。
1日に必要な脂質はどれくらい?
脂質は1gあたり9kcalと、最も高いエネルギーを得る事ができる栄養素で、総エネルギー摂取量に対して、20~30%が基準値として定められています。
男性の1日に必要な脂質
活動量の少ない成人男性なら、1日の基準は2200±200kcalです。
最低限取った方が良い基準として考えるので、2000kcalで20%を脂質で取ったとすると
2000×20%÷9=44.4g となります。
女性の1日に必要な脂質
活動量の少ない成人女性の基準は1400から2000kcalです。
これも、最低限の必要量を出したいので、1400kcalで20%を脂質で取ったとすると
1400×20%÷9=31.1g となります。
基準の範囲内の脂質の最大量
活動量の少ない成人男性なら、基準最大の2400kcalで、30%を脂質で取ることになるので、2400×30%÷9=80gとなります。
同じように、活動量の少ない成人女性の場合、最大の2000kcalで、30%の脂質を取ったとすると、2000×30%÷9=66.6gとなります。
脂質の目安
牛肉の中でも一番霜降りの部位、リブロースの場合、100g食べると約60gが脂質です。
また、資料によって違いがありますが、油小さじ1が6gで、大さじ1が14gです。
一番無自覚に多く脂質を取ってしまうのは、お菓子でしょう。
クリームを挟んだクラッカーで、1つ3gも含んでいることがあります。20個食べたら女性なら1日分の脂質になってしまいますね。
タンパク質が豊富な植物性食材
植物性食材でたんぱく質が豊富に含まれているものを探しました。
栄養成分表などでは、100gあたりの成分量が表示されますが、実際に食べるであろう量で試算していますので、他の情報とは見た目が違うかもしれません。
パスタ(乾麺)
意外に感じますが、小麦にはたんぱく質が多く含まれていて、乾麺100gには12.9gものタンパク質が含まれていて、内4.2gほどが必須アミノ酸です。
大豆
大豆はとても優れた高タンパク食材で、アミノ酸スコアも100です。
大豆そのまま、又は炒り大豆でたくさん食べる人はあまりいないでしょうから、大豆加工食品、関連食品について紹介します。
豆腐
木綿豆腐100gで、7gのたんぱく質を含み、3.2gの必須アミノ酸を含んでいます。
豆腐1丁が300から400gですから、大きめの豆腐の1/4で1日のたんぱく質の、男性なら10%、女性なら15%も取れることになります。
納豆
大豆加工食品の代表の納豆は、1パック40gであることが多いので、40gのたんぱく質量を紹介します。
40g1パックのたんぱく質は、6.6gで、2.6gの必須アミノ酸を含みます。
1パックで1日の必要量の1割をカバーできる素晴らしい食品です。
大豆ミート
粒状大豆たん白というもので、大豆から油を取り除いたものを、加熱乾燥させて作ります。
食感を肉に近づけて作られていて、最近はハンバーガーや焼き肉店でもメニューに採用されています。
2倍から3倍に膨らむので、1食分として30gで計算します。
戻す前の大豆ミート30gのたんぱく質は、13.9gで、必須アミノ酸は5.8gも含んでいます。
特集記事に詳しく紹介していますので、そちらも読んでみて下さい。
キノコ類
キノコ類では、エリンギ、しめじ、マッシュルームが多いです。
100gあたり4g前後なので、単独で十分な量のたんぱく質を取るのは難しいでしょう。
たんぱく質を含む野菜類
乾燥させていない野菜で最も多いのはブロッコリーで、ゆでるよりも焼いたり、電子レンジでの調理が、たんぱく質を残すコツです。
100g中で5g以上のたんぱく質を含んでいるのは、ブロッコリーくらいしかありません。
役と9.9gものたんぱく質を含んでいます。茹でると3.9gまで減ってしまいます。
そのほかは、豆苗、もろへいや、とうもろこしの電子レンジ調理などが比較的多く含まれ、100g中4~5g含んでいます。
たけのこ、まめもやし、スナップエンドウなどが続いて、100g中3g程度含みます。
高たんぱくな植物性食材を使ったメニュー
高たんぱくな植物性食材を使って作れるメニューを紹介します。
・鯖缶と豆腐の親子煮風
魚や脂質の少ない肉類も活用しよう
野菜などの植物性食材だけでは、たんぱく質を十分に摂ることはなかなか難しいこともあるでしょう。
魚には言及しませんでしたが、肉類ほどではないけれど、たんぱく質を多く含んでいて、脂質は控えめですし、その資質はn3系脂肪酸も含んでいます。
また、肉類の中でも、鶏むね肉の皮なしの場合には、100g中のたんぱく質は24.4gで、脂質はたった1.9gです。
上手に組み合わせることで、脂質を控えながら、しっかりとたんぱく質を取る事ができるメニューにしましょう。
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